時間は存在しない!|「今」に集中するのは、量子場に入り、幸せを引き寄せるため

量子論

「今、この瞬間を大切に」と説くマインドフルネス。
でも、「今」を大切にすると、どんな効果があるの? と疑問に思っていませんか?

実は、この記事で紹介する「時間論」を読むと、「今に集中する」ことの理由がわかり、「幸せを引き寄せる」近道を手にすることができます。

なぜなら、マインドフルネスは量子場に入っていく技法であり、その仕組みは、量子科学で裏付けられているからです。

この記事では、「時間というものは存在しない」ことを物理学と脳科学の2つのポイントからご紹介し、「量子場に入るためには時間を断ち切る」必要があることをご説明します。

記事を読み終えると、「過去や未来」へのこだわりを捨てる意味がスッキリ腹落ちし、「今に集中」して「幸運を引き寄せる」ことができるようになります。

時間は存在しない

いきなりですが… そもそも、「時間」というものは存在しないんです。

なぜなら、宇宙に「共通の時間」はないし、世界の仕組みを解明する学=物理学には「時間の向き」は登場しません。

付け加えるなら、量子場には「時間そのもの」が存在しません。

実際に、これらのことを説明している本が超ベストセラーになっており、(科学分野の専門家を含む)世界中の読者がこの仮説を支持していることが分かります。

以下のリンクを見てください。こちらがその本になります。

Bitly

出版社(NHK出版)の著者情報を引用します。

カルロ・ロヴェッリ 著
理論物理学者。1956年、イタリアのヴェローナ生まれ。ボローニャ大学卒業後、パドヴァ大学大学院で博士号取得。イタリアやアメリカの大学勤務を経て、現在はフランスのエクス=マルセイユ大学の理論物理学研究室で、量子重力理論の研究チームを率いる。「ループ量子重力理論」の提唱者の一人。『すごい物理学講義』(河出書房新社)で「メルク・セローノ文学賞」「ガリレオ文学賞」を受賞。『世の中ががらりと変わって見える物理の本』(同)は世界で100万部超を売り上げ、大反響を呼んだ。本書はイタリアで18万部発行、35か国で刊行決定の世界的ベストセラー。タイム誌の「ベスト10ノンフィクション(2018年)」にも選ばれている。

NHK出版 時間は存在しない

私は今まで多くの「時間論」を読んできましたが、分かりやすさという点でこの本がダントツです。ぜひ、読んでみることをオススメします!

ここから先は、ロヴェッリ氏による「時間は存在しない」論を、かいつまんでご紹介していきます。

「時間の流れ」は均一ではない

「時間」とは「時の流れ」です。

この地球上、どこの国・どの場所でも、「時の流れは一律」つまり「時計は同じ速さで進む」と思っていませんか?

ところが違うんです!

時間の流れは、山では速く、低地では遅い。
その差はほんのわずかだが、今日インターネットで数千ユーロ(数十万円)も出せば買える正確な時計を使えば計ることができる。
ほんの少し練習するだけで、誰でも時間が減速するという事実を確かめることができるのだ。
専用の実験室に据えられた時計を使うと、数センチの高さの差によって生じる時間の減速も検出できる。
床に置いた時計のほうが、卓上の時計よりほんの少し時間の刻みが遅いのである。[改行はサイト管理人]

『時間は存在しない』カルロ・ロヴェッリ著

場所が高い・低いということが、時間の速さに影響しているということなのですが、これには、質量(物体の動かしにくさの度合い)が関係しています。

物体は、周囲の時間を減速させる。地球は巨大な質量を持つ物体なので、そのまわりの時間の速度は遅くなる。山より平地のほうが減速の度合いが大きいのは、平地のほうが地球(の質量の中心)に近いからだ。

『時間は存在しない』カルロ・ロヴェッリ著

地球の真ん中には、質量の大きいモノ(重くて・ズッシリしていて・動かしにくいモノ)があり、そこから離れている山では時間が速く、真ん中に近い平地では時間が遅い、ということです。

なぜか? 本書には記述はありませんが、とりあえず、書いておきます。

それは、質量のある物体のまわりでは、「時空が歪む」からです。

川の流れの真ん中に大きな岩があるとします。岩の周辺では、水流はゆがんでゆっくり流れますよね? それと同じです。(これ以上の深入りは避けます)

ともかく…「時間の流れは均一ではない」。重要なのでぜひ、覚えておいてください!

宇宙には「共通の時間」は存在しない

あなたの姉が、地球から約4光年の距離にある太陽系外惑星「プロキシマ・ケンタウリb」にいるとします。

さて、地球にいるあなたに訊きます。「お姉さんは今、なにをしていますか?」

姉が何をしているか、あなたは望遠鏡で惑星を見るとします。

地球とプロキシマ・ケンタウリ星の時間

お姉さんの姿が見えたとしても、それは「今」ではありません。
なぜなら、お姉さんの姿(を運ぶ光子)があなたの目に届くまで4年かかるからです。

つまり、見えるのは「4年前のお姉さん」。「過去」の姿ですね。

では、4年間のタイムラグがあることを考慮して、あなたが4年後に望遠鏡で見るお姉さんは「今」の姿でしょうか?

違いますよね。
地球上の4年後はあなたの「未来」です。
だから、「お姉さんは今、なにをしていますか?」の問いに、答えることになりません。

つまり、地球の「今」という概念は、地球を離れた宇宙では成立しないんです。
宇宙には、共通の「今」がないわけですから、「共通の時間」は存在しないことになります。

物理学に「時間の向き」は存在しない

繰り返しますが、「時間」とは「時の流れ」であるとしましょう。

私たちは普通、時間は「過去から未来に向かって」流れると考えますよね。

ところが、物理学が明らかにしたところによると、「時間の向き」は存在しません。

過去と未来は区別できない。
ニュートンの力学的世界の法則も、マクスウェルが導いた電磁気の方程式も、重力に関するアインシュタインの相対性理論の式も、量子力学のハイゼンベルクやシュレディンガーやディラックが導いた方程式も、20世紀の物理学者たちが確立した素粒子に関する方程式も、どれ一つとして過去と未来を区別することはできないのだ。
つまり、これらの方程式に従って一連の出来事が起きるのであれば、同じ出来事の列を時間の中で逆に進めることができる。[改行はサイト管理人]

『時間は存在しない』カルロ・ロヴェッリ著

では、物理学の代表的な知見を見ていき、ほんとうに「過去と未来を区別することはできない」のかどうか、探っていきいましょう。

物理学なので、最低限の数式をあつかうことになります(苦笑)…
数式がキライなひとは、とばしていっこうに構いません…。

でも、「量子科学」「引き寄せの法則」「マインドフルネス」「ヨガ」などが、そろって「時間を忘れる・超越する」ことを力説する理由を、物理学の方程式をつかって紹介している記事は、レアだと思いますよ(笑)!

ニュートンの運動方程式

「力は、質量と加速度の積に等しい」という意味です。

m は質点の質量、r は質点の位置ベクトル、a は質点の加速度、F は質点にかかる力、t は時間です。
d は微分記号と呼ばれ、「ゼロにギリギリ近い、ちょっとの差」という意味です。

真ん中と右の部分は、「質点の位置がちょっと変わる量」を、「時間のちょっとした経過量」で2回割って、「質量」を掛けると、「力」になる、ということを表しています。

t は単なる時間(time)。時間の長さではなく「点」つまり「時刻」のようなものです。
ここでは、「時間の向き」は問われていません(過去と未来の区別はありません)。

マクスウェルの方程式

マクスウェルの方程式は簡単」というページに、方程式の図解入り説明がありますので、それを引用しながら紹介します。

マクスウェルの方程式

1番目の式は、高校で習うアンペールの法則(右ねじの法則)、つまり、「電線に電流が流れたときに磁界(誘導磁界)が発生する」ことを表しています。

式の詳細の意味は、下図をご覧ください。

式の左側は、「誘導磁界はくるくる回って発生する」ことを、ベクトル H のローテーション(回転)として表しています。

式の右側の第1項は、このとき電線に流れた電流(導電流)を、電流の向きを持たせてベクトル J で表したもの。

式の右側の第2項は、(交流では)電線のない空間にも電流(変位電流)が流れることを示しています。
上図は、電線を切断して金属板を付けた状態を描いていて、この金属版のあいだ(電線のない空間)にも、交流であれば電流(変位電流)が流れます。
これを部品にしたものを、コンデンサーといい、ほとんどの電子機器に使われています。

※電流には、電気が常に一方通行で変化しない「直流」と、電気の流れる向き・電流・電圧が周期的に変化している「交流」があります。

変な記号「∂/∂t」は、偏微分方程式の時間微分といい、「時間とともに変化している」ことを示しています。つまり、電流は「交流」ですよ、ということです。

2番目の式は、(電線に交流が流れ、誘導磁界が発生すると)「磁界は新たな電界を空間に発生させる」ことを表しています。

式の左側は、誘導電界をベクトル E のローテーションで表現しているわけです。

式の右側「磁束密度の時間変化」とは、「磁界が時間とともに変化している」ということです。
マイナス記号がついているのは、「打ち消す」という意味です。

誘導電界(ループ状の変位電流)が生まれると、新たな磁界ループが発生し、はじめの誘導電界を「打ち消す」ように、逆回転の誘導電界が発生します。

つまり、2番目の式は、「磁界→電界→磁界…が連鎖的に起こる」ことを表していて、この連鎖こそが、「真空中で伝搬する電磁波の存在」の予言となりました。
ただし、現代の電磁気学では、上図は電波伝搬の図としては否定されています。

3番目の式は、「単一の磁極(N極のみの磁石やS極のみの磁石)は存在しない」ことを示しています。

div B=0 の div とは、「ある微小領域からどれだけ湧き出すか、または吸い込むか」を表すベクトル演算子(「計算をする」という意味の数学記号。+、-、×、÷ などもその一種)です。

磁石は一般的にN極とS極の両極を有し、磁力線はN極からS極に向かってループ状に出ています。「単一の磁極は存在しない」ことを、div B=0 と表現しています。

4番目の式は、「単一の電荷は存在する」ことを示したものです。

空間に電荷があるとき、正(+)の電荷からは電気力線が湧き出し、負の電荷(-)へは電気力線が吸い込まれます。

「電気力線が電荷から放射状に湧き出している(または吸い込まれている)」状態を、div D=ρ と表しています。
ρ(ロー)はゼロではない有限値という意味です。

さて、これらマクスウェルの方程式では、1番目と2番目の式に、「時間 t」が登場しています。
t は単なる時間(time)。時間の長さではなく「点」つまり「時刻」のようなものです。
ニュートンの運動方程式と同様、ここでも、「時間の向き」は問われていません(過去と未来の区別はありません)。

アインシュタインの方程式

一般相対性理論の中核に、「アインシュタイン方程式」、別名「重力場の方程式」と呼ばれるものがあります。

この式の意味するところは、「重力の正体は、時空の歪みである」ということ。

アインシュタインの重力方程式

式の左側は、「時空がどのように曲がっているのか」を示しています。
つまり、「時間の進み方が変化したり空間が曲がってしまう」ことを表す時空の幾何学量です。
Rij は、「時空の歪み」を表現する「リッチ・テンソル」と呼ばれる量です。

式の右側は、「物体(質量)がどのように分布しているのか」を、「重力」との関連で示しています。
Tij は、「物質の質量・エネルギーや運動量」を表す量で、「エネルギー運動量テンソル」と呼ばれます。
その前についている分数のうち、c は光速度、π は円周率、G は万有引力定数です。
なのでこの分数は全体として「定数」です。

さて、この方程式には、そもそも「時間 t」が登場しません。
したがって、ここでも、「時間の向き」は問われていません(過去と未来の区別はありません)。

シュレディンガーの方程式

量子力学の基礎方程式で、古典力学におけるニュートンの運動方程式に相当します。

シュレディンガー方程式

式の左側を見ていきます。

i は虚数単位(2乗して −1 になる数)。

ℏ はディラック定数(エイチ・バー)で、プランク定数 h を 円周率 π の 2倍で割った量です(ℏ = h/2π)。
プランク定数 h = 6.62607015 × 10⁻³⁴J・s です。
なので、ディラック定数 ℏ = 1.054571817… x 10⁻³⁴J・s となります。

∂ は「偏微分記号」。筆記体の d を様式化したもので「ディー」と読みます。
∂/∂t は「ゼロにギリギリ近いちょっとの時間 t 分の」という「形容詞のようなもの」です。

ψ は波動関数で、プサイと読みます。
波動関数とは「時間 t と座標位置 x を決めると波動の状態が分かる」というものです。
そういう意味で、律儀に書くのであれば、ψ(t,x) というかたちになります。

つぎに、式の右側を見ていきます。

Ĥ は系全体の力学的エネルギーを表す演算子(「計算をする」という記号)で、ハミルトニアンと呼ばれます。
「運動エネルギーと位置エネルギーを合計する」という意味です。
Ĥψ のように「演算子 x 関数」のかたちで、具体的な数(固有値)になります。

さて、左の iℏ、右の Ĥ は結果的に決まった値になりますから、「時間 t と座標位置 x を決める」と、残りの「波動関数 ψ が決まる」ことが分かりますね。

では、「波動関数 ψ」とはいったい何なんでしょうか?
下図をご覧ください。

横軸を座標 x、縦軸を波動関数 ψ(x) としたグラフです。

時間 t を固定して(つまりある時間において)場所ごとにどんな「波動」が現れるか(青線)を表しています。波動関数はプラスもマイナスもあるので、グラフの上下に波動が現れます。

赤線は、波動関数の絶対値(プラス、マイナスの符号を除いた値)を2乗したもので「確率密度」といいます。
その位置 x で「粒子」が見つかる確率です。
絶対値の2乗なので値は必ずプラスなので、確率密度はグラフの上だけに描かれます。

赤い丸は粒子「位置」の可能性で、濃い赤はそこで見つかる可能性が高い、薄い赤はそこで見つかる可能性が低いことを示しています。濃い丸があるところは、確率密度が高くなっています。

冒頭の波動関数を見て分かるように、t は単なる時間(time)です。
ここでも、「時間の向き」は問われていません(過去と未来の区別はありません)。

なお、まったく異なるアプローチで波動の状態を描いたものに、「ハイゼンベルクの方程式」がありますが、「シュレディンガーの方程式」と同じ結論が導かれるので、ここでは割愛します。

物理学では時間の反転が可能

ここまで、物理学を代表する4つの式

  • ニュートンの運動方程式
  • マクスウェルの方程式
  • アインシュタインの方程式
  • シュレディンガーの方程式

を点検してきましたが、どこを見ても、「時間の向き」は問われていません(過去と未来の区別はありません)。

それは、これらの式が「時間の逆行を禁止しない」「時間を反転させることができる」ことから明らかです。

時間を反転させるということは、「t」という時間パラメータを「−t」に置き換えることに相当します。
実際、「t」が−10から+10まで増えるとき(現在の10秒前から、10秒後に進むとき)に、「−t」は+10から−10まで減る(現在の10秒後から、10秒前まで戻る)ので、この操作は時間を反転させています。
ところが、この操作を施しても運動法則[註:方程式]の形は変わらないのです。ということは、もしある運動が運動法則[註:方程式]通りに起きたとしたら、それを時間反転させた運動もまた、同じ運動法則[註:方程式]の下で許される運動ということです。

時間は過去から現在に流れて…いない!? 物理学者の明快解説! なぜ私達は過去と未来を感じられるのか 松浦 壮さん(慶應義塾大学教授)

詳しくは、下記の本に掲載されています。

Bitly

量子場に「時間」は存在しない

ミクロの世界である「量子場」には時間は存在しません。

なぜなら、最小の時間というものがあり、それがあまりにも小さく、実質的にゼロとみなしても差し支えないと考えられるからです。

「量子」とは基本的な粒のことであって、あらゆる現象に「最小の規模」が存在する。
重力場における最小規模は「プランク・スケール」、最小の時間は「プランク時間」と呼ばれてい、相対性や重力や量子が絡む現象の特徴となっているさまざまな定数を組み合わせれば、その値を簡単に計算できる。
そしてその結果、1秒の1億分の1の10億分の1の10億分の1の10億分の1の10億分の1、つまり10⁻⁴⁴秒という時間が得られる。[中略]
ここまで小さな規模になると、もはや時間の概念があてはまらなくとも驚くには当たらない。[改行はサイト管理人]

『時間は存在しない』カルロ・ロヴェッリ著

皆さんは疑問に思うかもしれません。
量子の世界を描いている「シュレディンガーの方程式」にも、時間 t があるじゃないか…と。

確かにそのとおりです。

でも、最初から明記してあるとおり、t は単なる時間(time)。時間の長さではなく「点」つまり「時刻」のようなものです。

わたしたちが想像し得るもっとも正確な時計を用いてなんらかの時間の幅が計れたとすると、その測定値は特別ないくつかの値に限られていて、離散的であることが判明するはずだ。
時間が連続的に継続するとは考えられず、不連続だと考えるしかない。
一様に流れるのではなく、いわばカンガルーのようにぴょんぴょんと、一つの値から別の値に飛ぶものとして捉えるべきなのだ。[改行はサイト管理人]

『時間は存在しない』カルロ・ロヴェッリ著

作家で、物理学のカリスマ講師として知られる橋元淳一郎さんは、量子の一種である「光子」について、つぎのように述べています。

しかし、その間に起こったことについては、時間的なことは何もいえない。そこにあるのは、一個の光子に関する量子的な状態だけであって、われわれが経験するような過去から未来に流れる時間などというものは、いっさい存在しないのである。
[中略]ミクロな存在の世界においては、時間そのものが実在ではない(その他の物理量もまた実在ではない)。そこでは因果律さえ成立しない。
時間(やその他の物理量)は、マクロな世界の概念であり、われわれは観測装置をミクロな系に押し付けて、いわば強引に時間(やその他の物理量)をそこから引き出す[中略]

『時間はどこで生まれるのか』橋元淳一郎 著
Amazon.co.jp

量子場には時間が存在しないのに、私たちが無理やり時間を見ようとするあまり、観測装置などの力を借りているんですね。

「シュレディンガーの方程式」もそのためのツールと考えていいと思います。
だからあんなにややこしいんですね(笑)。

それでは、私たちがふだん慣れ親しんでいる「時間」(時間のながれ)って一体何なのでしょう?
つぎは、その秘密に迫っていきます。

時間の流れは、脳の「記憶」がつくり出す

時間の流れは、私たちの「記憶」が作り出したものです。

なぜなら、「未来は未知で、過去は既知」という「非対称性」が時間の流れの実体であり、それは私たちの「脳」のメカニズム、つまり「記憶」に由来するからです。

実際に、古くは聖アウグスティヌス(354 – 430年)が「時間の流れは精神のなかにある」と洞察しており、現代の脳科学が明らかにしている記憶のメカニズムも、そのことをを裏付けています。

聖アウグスティヌスは、著作『告白』第11巻のなかで「時間論」を述べています。
下記は、カルロ・ロヴェッリ氏による解説です。

その観察によると、私たちは常に現在にいる。なぜなら、過去は過ぎ去っているので存在せず、未来もまだやってきていないのでやはり存在しないからだ。
そのうえでアウグスティヌス、は私たちは常に現在にしかおらず、しかも現在は定義からいって一瞬のものであるはずなのに、それでも自分たちが継続を意識し評価もできるのはなぜか、と問いかける。
わたしたちは常に現在にいるのに、どうして過去について、時間について、かくも明確に知り得るのか。今ここには、過去も未来もない。
ではどこにあるのか。それらはわたしたちのなかにあると、いうのがアウグスティヌスの結論だ。[中略]それは精神の一部であり、過去が脳の内部に残した痕跡なのだ。[改行はサイト管理人]

『時間は存在しない』カルロ・ロヴェッリ著

「脳」のメカニズム、つまり「記憶」というものが、「未来は未知で、過去は既知」という「非対称性」を作り出している、そしてそのことこそ、私たちが「時間の流れ」を感じることの理由なのです。

脳と記憶については、下記記事をご覧ください。

「時間」を断ち切らないと量子場に入れない

マインドフルネスの教えが「今という瞬間に集中する」ことを強調するのは、「量子場」に入るためです。

なぜなら、あなたが「過去や未来」の想念をもっていると、それがジャマをして量子場の入り口に立つことができないからです。

結果、「引き寄せの法則」も働かなくなってしまいます。

量子場には時間というものがなく、一方、人間である私たちは、脳の記憶作用によって「時間の流れ」を意識しています。

そうすると、量子場の波動と私たちの波動は、大きな違いを持つことになり、私たちの波動が量子場に入っていけなくなってしまいます。

実際に、ヨガや瞑想でも、過去へのこだわりや未来への不安などを断ち切って、「今というこの瞬間」に意識を向けるよう、教えています。

仮に、過去・未来についてポジティブな思い、たとえば、「楽しかった想い出」や「未来に対する夢」を抱いていたとしても、量子場はそのような情報をキャッチできません。

もっと怖いのは、あなたが過去・未来に対して顕在意識ではポジティブな想念を抱いていても、潜在意識はまったく逆に、ネガティブな想念を引きずっている可能性があります。

以下の画像を見てください。
上で紹介した過去記事に入れてある「3つの脳の役割」の図です。

顕在意識と潜在意識は「双極的」で、しばしば矛盾・対立することを、理解して下さい。

幸せを「引き寄せる」には、「今というこの瞬間」に集中することが大事なんです。

まとめ

本記事では、「今という瞬間」に集中することの重要性について、

  • 宇宙や量子場に「時間は存在しない」
  • 過去・現在・未来の「時間の流れ」は、人間の記憶がつくり出す
  • 量子場に入るには、「時間の意識を捨てる」必要がある

の3点から紹介してきました。

「マインドフルネス」が「今という瞬間に集中する」ことを強調するのは、量子場に入るためです。

「過去・未来」の想念を断ち、「今に集中する」ことによって量子場へのアクセスが可能になり、幸運を「引き寄せる」準備が整います。

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