「引き寄せの法則」原典(その1)を紹介します|「心配・不安」を断ち「望むものを愛する」ことが重要!

引き寄せ

「引き寄せ」を謳った本はたくさん出回っていますが、もともと、誰が・いつ書いたのか、ほんとうは何が書かれているのか、興味ありませんか?

実は、『引き寄せの法則』の原典(2冊あります)は分かっており、「宇宙一元論」という哲学思想がベースになっていることが明白です。

なぜなら、2冊の原典の著者は同時代の人物で、交流もあり、同じ思想グループに属していたことが分かっているからです。
また、属していたグループの潮流から、2人の思想内容も判明しています。

この記事では、まず、原典(その1)が書かれた時代の思想背景から、「引き寄せ法則」のしくみや概要をお伝えしていきます。

記事を読み終えると、「引き寄せ法則」オリジナルの考えが明らかになり、「引き寄せ」を「成功させるためのノウハウ」も見えてきます。
それらをきちっと理解することで、正しい「引き寄せ」ができるようになります。

「原典その2」については、こちらの記事をご覧ください。

ウィリアム・ウォーカー・アトキンソンと『引き寄せの法則』

Amazon.co.jp: 【原典完訳】引き寄せの法則 eBook : 本
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この本の著者ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン(William Walker Atkinson、1862年 – 1932年)は、メリーランド州ボルチモアの生まれ。

弁護士、商人、出版社、作家であり、オカルト学者、ニューソート運動の先駆者でした。著作は100冊程度にのぼります。[Wikipedia William Walker Atkinson

ペンシルベニア州で弁護士の仕事を始め、成功を収めたものの、ストレスによる肉体的・精神的衰弱と金融危機を経験。癒しを求め、1880年代後半にニューソートと出会い、そのおかげで健康・精神的活力の回復、物質的成功をつかみます。

ニューソート(New Thought)とは「新思考」という意味で、19世紀にアメリカで始まったキリスト教の一潮流で、やがて「ニューエイジ運動」へとつながっていきました。

「ポジティブ・シンキング」という言葉は、ニューソートを通して普及し、ニューソート運動は「成功哲学や自己啓発のルーツの一つとされている」ようです。[Wikipedia ニューソート

ニューソートの要点をいくつか抜粋します。[Wikipedia ニューソート

  • 人間の心情と意識と生命は宇宙と直結している。
  • 全人類に喜びと成長と発展と幸福の機会が既に与えられている。
  • 人間は内なる「神」の一部を顕現すべく無限の発展を遂げつつある。
  • 愛の力は神の意志の地上的表現である。

アトキンソンは、その後、ニューソートの主要拠点であったシカゴに移り、編集者および著者として運動の積極的な推進者となりました。

国際ニューソート同盟(International New Thought Alliance)の会長も務めています。

1890年代に、ヒンズー教に興味を持ちはじめ、1900年以降、西洋にヨガや東洋思想を普及するために多大な努力を注ぎました。じっさい、ヨギ・ラマチャラカ(Yogi Ramacharaka)など複数のペンネームでも著作活動を行っています。

1900年に最初の著作『Thought-Force in Business and Everyday Life』(ビジネスと日常生活における思考-力)を執筆。人間が有する磁力、精神的影響、思考力、集中力、意志、実用的な精神科学についての一連のレッスンをテーマにしたものでした。

そして、1906年、シカゴで『Thought Vibration or the Law of Attraction in the Thought World』(思考波動、あるいは、思考世界における引き寄せの法則)を出版します。

「the Law of Attraction」(引き寄せの法則)という文言がここで登場してくるのです!

「引き寄せ」の原理

アトキンソン版『引き寄せの法則』は、16の章に分かれています。その要点をご紹介していきます。

※以下、引用箇所を〈〉で括ることとします。

「引き寄せの法則」とは

宇宙に「万有引力の法則」があるのと同じように、思考には「引き寄せの法則」があります。〈思考もエネルギーの現れの1つであり、磁石のように引き寄せる力を持っている〉のです。[第1章]

磁石からは波動が出ています。その波動は人間の五感では分かりません。目に見えず、味も匂いもなく、聴こえず、触れることもできないのです。
だからといって、「磁力が存在しない」とは言えません。
それと同じように、〈私たちは何かを考えるとき、目に見えないかすかな波動を送り出しています〉。[第1章]

アトキンソンは、この波動は測定することができない、と(100年前に)書いていますが、今日では脳波計をつかって簡単に測定することが可能です。

〈この波動を発生し伝達する法則を理解すれば、既知のエネルギーと同じように日常生活で利用することができます〉。

〈思考の波は自分や他人に影響を与えるだけでなく、引き寄せる力も出していて、他人の心や物、境遇、人びと、幸運を引き寄せます〉。

〈何を引き寄せるかは、心の中で何を強く思っているかによります〉。[第1章]

ただし、注意事項があります。思考の波は、ポジティブなものだけでなく、ネガティブなものも引き寄せてしまいます。

愛に満たされている男女はあらゆるところに愛を見つけ、他人の愛を引き寄せます。
心に憎悪を抱く人はさまざまな憎悪を人から受けます。
争いが頭にある人は、望みどおり争いに巻き込まれ、苦労することになります。[改行はサイト管理者]

『【原典完訳】引き寄せの法則』ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン著 第1章

誰もが・すでに使っている!

ここでとても興味深いことを紹介します。
アトキンソンいわく、私たちはみな、「引き寄せの法則」を、すでに・日頃から、使っているんです!

私たちの今ある姿は、「自分がどうなりたいか」と考えた結果ですが、言葉で直接伝えられたり、思考の波を介して伝わってくる、他人の示唆や考えからも影響を受けています。[中略]
自分を心から信じ、強い自信と決断力に支えられたポジティブな心の持ち主は、ネガティブな考え方の人から発せられる落胆や無力感といった後ろ向きで否定的な思考の波の影響をあまり受けません。[改行はサイト管理者]

『【原典完訳】引き寄せの法則』ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン著 第2章

これからサクセス・ストーリーを描こうとして「引き寄せ法則」を使ってみようか、と考えている方は、ぜひ、この点を押さえておいて下さい!

私たちは、人生のなかで「引き寄せ法則」をさんざん使ってきた結果、「今」があるんです。

言い換えると、「引き寄せ法則」から逃れる方法はない、ということになります。「宇宙の法則」なので、当然といえば当然ですが…

もうひとつ大事な点は、「引き寄せ法則」は、「発信」だけでなく「受信」にも当てはまる、ということです。
上の引用に、「ポジティブであれば、ネガティブな波を受けない」とありますね!

無線通信機は同じ波長に設定された送信機の電波しか受信せず、ほかの信号はそばを素通りしてしまって何の影響も受けません。
思考の作用にも同じことが言えます。人は自分の心の波長と合うものしか受け取らないのです。[改行はサイト管理者]

『【原典完訳】引き寄せの法則』ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン著 第2章

「引き寄せ」のノウハウ

「引き寄せの原理」につづいて、本書には、それを成功させるためのノウハウが各所に散りばめられています。

それらのノウハウを、私なりにまとめると、次の5点になります。

  1. ポジティブになる
  2. 心配・不安を打ち消す
  3. 潜在意識にプラスを吹き込む
  4. 望むものを愛する
  5. 受け取る権利を自覚する

順を追って紹介していきます。

ポジティブになる

ポジティブになる方法として、アトキンソンは、「アファーメーション」(肯定的自己宣言)を勧めます。

簡単に言うと、「それはできるし、やる」と宣言することによって、心がポジティブになるということです。

〈「それはできるし、やる」と宣言する人は、ものごとを上手に処理できる資質を身につけるとともに、心のキーノート[注:基調]が高まって、目的達成の助けになる思考の波を受信することができるようになります〉。[第2章]

今でこそ、「アファーメーション」は、カウンセリングやコーチングの分野でよく聞きますが、100年前の「ニューソート運動」で使われた言葉のようです。

アファーメーションとはつまり、「行動の宣言」ですが、〈行動を起こす原動力となるのは願望と関心です。何かをしたいと心の底から望めば、自然とその実現に関心が湧き、望むものを手にするのに役立ちそうなものは何でもつかみ取ろうとするでしょう〉。[第7章]

何かをしたいと心の底から望めば、「自然に関心が湧いてくる」という点は、とても大切だと思います。

「関心」というのは、ポジティブな気持ちです。
そして、「関心」が湧いてくれば、だれでも、自然に「行動」に移ることができます。

心配・不安を打ち消す

ポジティブになるには、心配や不安を打ち消す必要がありますが、これについては、とても有用なアドバイスがあります。

心配事の9割は実際には起きず、残りの1割は起きても、ほとんど取るに足らないものです。
そうだとしたら、将来起きるかもしれない問題に思い悩んで大事な力を使うことに何の意味があるでしょう。
実際に起きるまで、心配するのは待ちましょう。
そうして力を蓄えれば、あなたの行く手を邪魔するどんな問題にも対応できるようになります。[改行はサイト管理者]

『【原典完訳】引き寄せの法則』ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン著 第7章

「心配事の9割は実際には起きない」。

どこかで聞いたようなセリフですが、世間をにぎわす「成功哲学」は、100年前にアトキンソンが属していた「ニューソート運動」に行き着きます。時代を先取りしていたんですね!

さて、時代を先取りといえば、アトキンソンの「引き寄せ法則」には、「マインドフルネス」の考え方が含まれています!

不安と闘う必要はありません。闘ったところで不安に思う習慣を変えることはできません。
それよりも、集中力を高める練習をしましょう。あなたの目の前にある何かに集中していると、不安な気持ちが消え去っているのに気づくでしょう。
心は一度に1つのことしか考えられません。何か明るいことに心を集中させれば、ほかのことは消えてしまいます。[改行はサイト管理者]

『【原典完訳】引き寄せの法則』ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン著 第7章

「今・ここに」いる状態に気づき、心配・不安を遠ざける。
まさしく、「マインドフルネス」の考え方そのものです。

潜在意識にプラスを吹き込む

心配・不安などのネガティブ感情を遠ざけるには「マインドフルネス」が有効です。

これはこれで、「幸せ感を引き寄せる」にはとても良い方法なのですが、もう少し積極的なやり方があります。
それは、「潜在意識にプラスを吹き込む」という方法です。

それについて紹介する前に、まず、潜在意識について見ていきましょう。

アトキンソンは、心にはいろいろな機能があり、「能動的作用」と「受動的作用」の2つの作用を引き起こす、と言います。[第3章]

まとめると、次のようになります。

  • 能動的作用:思考への直接刺激によって引き起こされる。思考や行動に波動を与える。波動を与え続け、受動的作用が持続すると、それは「習慣」となる。
  • 受動的作用:①本人・他人からの能動的作用、②他人からの思考の波、③遺伝により伝えられる祖先の思考、④天地創造時に神から発せられた原始の波動 によって引き起こされる。能動的作用の命令・提案に従う。振動が持続すると「習慣」となる。

はっきりとは書いてありませんが、文脈を考えると、

  • 能動的作用:顕在意識によるもの
  • 受動的作用:潜在意識によるもの

ということでしょう。じっさい、次のような記載があります。

心の本質についての法則を知る人は、潜在能力を開発して上手に活用します。[中略]
受動的精神作用を十分に理解し、高次元の自分の言いつけに従うよう訓練し、それに合った任務を与えて、素晴らしい結果を引き出します。[中略]
潜在的能力を養い、それらが受動的精神作用としてだけでなく能動的精神作用として機能するようにもできます。[改行はサイト管理者]

『【原典完訳】引き寄せの法則』ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン著 第3章

それでは、いよいよ、「潜在意識にプラスを吹き込む」方法をご紹介します。

アトキンソンが言うように、〈人は繰り返しによって、思考や感情、行動を習慣化することができます〉。[第12章]

「顕在意識」が能動的作用を繰り返す(思考や行動を繰り返す)ことによって、その命令を実行する受動的作用は振動が持続し、やがて、その波動パターンが固定化して「潜在意識」のなかで「習慣」となるのです。

アトキンソンは、2つのやり方を示してくれています。

まず、どうしてもやらなければならないけれども、やる気が起きないことを選びます。
続いて、それに向けて思いを強化します。自分に向かって「私はこれこれのことをしたい」と口に出し、それを行う真似をします。明るく楽しく行うことを忘れないこと。
続いて、したいことを実際の行動に移します。
行うことに興味を持ち、最も上手にできる方法を研究しましょう。[改行はサイト管理者]

『【原典完訳】引き寄せの法則』ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン著 第12章

〈ここで大切なのは、「楽しさ」と「興味を持ち続けること」です〉。[第12章]

もう1つの方法は、「愛と思いやり」の行動をとることです。

たとえば、人を憎む傾向があったら、愛する気持ちを育むことによってそのネガティブな思考を追い払うことができます。
可能なかぎり愛を思い、行動に表しましょう。
思いやりの気持ちを育み、出会う人誰にでも親切にしましょう。[改行はサイト管理者]

『【原典完訳】引き寄せの法則』ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン著 第12章

「愛と思いやり」の行動を習慣化することで、「潜在意識にプラスを吹き込む」ことができるのですが、「愛」による重要なノウハウがもうひとつあります。

つぎにそれをご紹介します。

望むものを愛する

望むものを引き寄せるには、メンタルリークに気をつけなければなりません。
メンタルリークとは、「注意力の漏れ」つまり、注意散漫になることです。

それを防ぐのが、「望むものに対する愛」です。

何かを手にするためには、ほかのものがほとんど目に入らなくなるほど、それに夢中になる必要があります。
あなたは望むものと恋に落ちなければなりません。[中略]
思考の力をいろいろのものに分散してしまうと、潜在意識は何をすればあなたが喜ぶかが分からず、結果として、潜在意識の助けを借りることができなくなってしまいます。[中略]
手に入れたいことに愛情を注ぎ続け、それを手に入れたイメージを思い浮かべ、それを糧として対象への興味を失わないようにしましょう。
目的から目をそらさず、それ1つに集中して強い情熱を傾けてください。[改行はサイト管理者]

『【原典完訳】引き寄せの法則』ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン著 第13章

アトキンソンは、いろいろな「愛」について述べています。
どんな生命にも「愛」があります。植物は水や太陽に対する「愛」によって、水に向かって根を伸ばし、太陽に向かって枝を伸ばします。元素の間に働く化学親和力も「愛」です。

そのように考えると、〈願望はすべての生命が持つ愛の表れ〉といえます。

熱烈な愛情だけが、あなたの前に立ちはだかる多くの障害を乗り越えさせてくれ、つらい仕事に耐えさせてくれるのです。
対象に対する願望が強ければ強いほど、あなたの愛も強くなり、愛が強くなるほど、その実現に向けて働く「引き寄せの力」も強くなります。[改行はサイト管理者]

『【原典完訳】引き寄せの法則』ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン著 第13章

そして、大事なのは、「行動力と決意」です。
「行動力」と「揺るぎない決意」の両者が揃わないと、「引き寄せ」は叶わないのです。[第14章]

受け取る権利を自覚する

「人間の心情と意識と生命は宇宙と直結している」とするニューソート運動ですが、国際同盟の会長も務めたアトキンソンは、〈あなたは全宇宙の一部であり、宇宙に存在するものに正当な権利を持っているのです〉と主張します。[第15章]

あなたは最高のものを得る権利があります。あなたはその正当な相続者なのです。
それを望み、要求し、手にすることを恐れてはいけません。
幸運は一部の恵まれた人だけのものではありません。万人のものです。
しかし、それを手にする権利があると自覚し、勇気をもって手を差しのべる人のもとにしか来ません。[改行はサイト管理者]

『【原典完訳】引き寄せの法則』ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン著 第15章

私たちが何かを望むとき、「自分のもの」を望んでいるにすぎない、と言うのです。
これはパワーを与えてくれる言葉です

強い願望、確信、行動する勇気―それが望むものをあなたに引き寄せてくれます。
しかし、その力を働かせるためには、あなたは自分のものを求めているだけであり、権利のないものを要求しているのではないということを、しっかりと認識する必要があります。[中略]
いくら強く望んでいても、望むものに対する自分の権利を疑っていたら、行動を起こす勇気が出てきません。
望むものが自分のものではなく、他人のもののように考えていたら、あなたは欲張りで嫉妬深い人間、もっと言えば泥棒ということになってしまいます。
そうなると、あなたの心は願望の実現に向かって進むことができなくなります。
他人のものを奪うなどという考えに本能的に抵抗を感じるからです。[改行はサイト管理者]

『【原典完訳】引き寄せの法則』ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン著 第15章

「望み、受け取るのは当然の権利である」ことを自覚することによって、行動する勇気が生まれてくるのです。

まとめ

本記事では『引き寄せの法則』原典(その1)を紹介しながら、「引き寄せ」のしくみや概要をお伝えしてきました。

1906年のアトキンソン版は、「引き寄せの法則」という文言がタイトルに冠せられた初めての本で、「思考が波動となって願いを引き寄せる」原理と、確実に成果を得るためのノウハウがきちっと語られています。

この本を読み込んで、書かれている内容を実行していけば、皆さんの人生に必ず役に立つと思います。

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