「引き寄せの法則」原典(その2)を紹介します|「感謝」と「行動」が成功のカギです!

引き寄せ

「引き寄せ」を謳った本はたくさん出回っていますが、もともと、誰が・いつ書いたのか、ほんとうは何が書かれているのか、興味ありませんか?

実は、『引き寄せの法則』の原典(2冊あります)は分かっており、「宇宙一元論」という哲学思想がベースになっていることが明白です。

なぜなら、2冊の原典の著者は同時代の人物で、交流もあり、同じ思想グループに属していたことが分かっているからです。
また、属していたグループの潮流から、2人の思想内容も判明しています。

この記事では、原典(その2)本が書かれた時代の思想背景から、「引き寄せ法則」の原理や概要をお伝えしていきます。

記事を読み終えると、「引き寄せ法則」オリジナルの考えが明らかになり、「引き寄せ」を成功させるためのノウハウや、守るべき条件も見えてきます。
それらをきちっと理解することで、正しい「引き寄せ」ができるようになります。

「原典その1」については、こちらの記事をご覧ください。

ウォレス・ワトルズと『引き寄せの法則』

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この本の著者「ウォレス・ワトルズ(Wallace Delois Wattles、1860年 – 1911年)は、アメリカ合衆国の作家、思想家。ワトルズの生涯ははっきりとはわかっていない」ものの、「両親はニューヨーク出身で、ウォレスはイリノイ州出身」。[Wikipedia ウォレス・ワトルズ

先ほど紹介したアトキンソンより20年ほど先に他界していますが、ワトルズ、アトキンソンの2人は、ほぼ同時代を生きていたことが分かります。

ワトルズの代表作『The Science of Getting Rich』(1910年)は、アトキンソン版の4年後に出版されました。

英語版の『The Science of Getting Rich』を見ると、amazon レビューが3,000を超えており、星5つが73%と、驚異的な支持を得ていることが分かります!

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日本ではさまざまなタイトルで翻訳版が出版されています。

ワトルズ版『引き寄せの法則』

アメリカ中西部イリノイ州出身のワトルズは、「ウィリアム・ウォーカー・アトキンソンらニューソートのリーダー達とシカゴへ行き、インディアナ州で日曜夜に講義をしていた」といいます。[Wikipedia ウォレス・ワトルズ

シカゴはイリノイ州にある有名な大都市で、ニューソート運動の拠点でした。インディアナ州はイリノイ州の東隣の州です。

そして、とても興味深いのは、ワトルズが、アトキンソンと交流していた、という点です。

ちなみに、超ベストセラー『ザ・シークレット』の著者ロンダ・バーンは、「ワトルズの『富を引き寄せる科学的法則』の影響を受けたと語って」おり、この本は、「ウィリアム・ウォーカー・アトキンソンの1908年の作品『Thought Vibration or the Law of Attraction in the Thought World』に記された『引き寄せの法則』も参照」しているようです。[Wikipedia ウォレス・ワトルズ

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さて、ワトルズは、「ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルやラルフ・ワルド・エマーソンの著作物を学び、彼らの著作物についての解説書『コスモスの一元論』を著して」おり、ニューソートの流れを汲む彼なりの哲学は、『引き寄せの法則』にも込められているのです。[Wikipedia ウォレス・ワトルズ

じっさい、「はじめに」のなかに、次のような著者メッセージがあります。

確実に金持ちになる「引き寄せの法則」は、”宇宙一元論” という宇宙観に基づいています。
これは、「1つは万物、万物は1つ」(すべてのものは、あるたった1つの物質からできている。物質界にある様々な元素は、ある1つの物質が形を変えただけのものである)という考え方です。
宇宙一元論は、すべての東洋思想の基盤になっています。
さらには、デカルト、スピノザ、ライプニッツ、ショーペンハウアー、ヘーゲル、エマソンらの思想の根幹にもなっています。
ヒンズー教に起源を持つこの思想は、ここ200年の間に、ゆっくりと西洋社会に浸透していきました(この理論について詳しく知りたい方は、ヘーゲルらの著作を読んでみてください)。[改行はサイト管理者]

『確実に金持ちになる「引き寄せの法則」』ウォレス・ワトルズ著 はじめに

「宇宙一元論」は、アトキンソンやワトルズが信奉していたニューソートの根幹です。
また、「ヒンズー教」の話を持ち出しているのは、国際ニューソート同盟の会長であったアトキンソンがヒンズー教に入れ込んでいたことに関係していると思われます。

「引き寄せ」の原理

ワトルズ版『引き寄せの法則』は、「第1の秘密」から「第17の秘密」まで、17の章で構成されています。

最終章「第17の秘密」に、大事なポイントが整理されています。

万物は、ただ一つの「思考する物質」つまり、「形のない物質」が元となって創られている。この「物質」は原始の状態で、宇宙空間の隅々に満ちている。
この「物質」の内部に抱かれた思考は、そのとおりの形を現実に生みだす。
人は、この「形のない物質」に思考(イメージ)を投影することで、創りたいと思っているものを現実に出現させることができる。

『確実に金持ちになる「引き寄せの法則」』ウォレス・ワトルズ著 第17の秘密

この3項が、ワトルズ版「引き寄せ」のもっとも基本的な要点になります。

※以下、引用箇所を〈〉で括ることとします。

「思考する物質」「形のない物質」を「粒子化する前の波動」、「宇宙空間」を「量子場」「ゼロ・ポイント・フィールド」と読み替えると、そのまま量子論になりますね!

〈この「だだ1つの物質」こそが、万物を構成している材料〉で、〈あと1万個もの宇宙を創ったとしても[中略]尽きることはないでしょう〉。
〈ですから、資源がたりないとか、すべての人口にいきわたるだけの量がないという理由で、豊かになれないということは、決してない〉といいます。[第3の秘密]

〈「ただ1つの物質」は生きており、常に繁栄したがっているのです〉。
〈この「形を持たない生きた物質」が、自らをあますところなく表現しようとする営みの結果、この形ある宇宙は創られました〉。
〈宇宙は1つの巨大な生き物であり、さらに繁栄し、さらに能力を発揮しようとしています〉。[第3の秘密]

ワトルズは「神」という表現もつかっています。
〈あなたが豊かになれば、神はあなたを通じて、この世界にいっそう豊かに自らを表現できます。あなたに資力があればあるほどいろいろなことができ、神もあなたを通じて生を謳歌できます〉。
〈つまり、あなたが金持ちになることは、神の願いなのです〉。[第5の秘密]

そして、宇宙も人間も、まったく同じ創造能力を持っていると語っています。

〈自然界のあらゆる形や事象は、「思考する物質」の内側にあった思考が、目に見える形となって現れたものです。「形のない物質」が形を思い描けば、その形が生まれます。動きを思い浮かべれば、動きが生じます。すべてはそのようにして創造されたのです。私たちはその思考から生み出された宇宙の一部です〉。[第4の秘密]

そして、〈「創造主がなさること」を、自らもなせる〉と、私たちに語りかけます。

人類はこれまで、自らの手を使って作ることにしか、注力してきませんでした。
自然界にすでに存在する材料をあれこれかき集め、組み合わせることで、思い描いたものを創ってきました。
形ある世界にしか目を向けておらず、創造主である《無形の叡智》と協調する、つまり「神ともに創る」という努力はしてきませんでした。
なぜなら、「形のない物質」にイメージを投影して、新しいものを創造するなどという発想がなかったからです。[改行はサイト管理者]

『確実に金持ちになる「引き寄せの法則」』ウォレス・ワトルズ著 第4の秘密

ワトルズによると、「引き寄せ」とは、〈「形のない物質」にイメージを投影して、新しいものを創造する〉ことなのです。

「形のない物質」は、「宇宙」「思考する物質」「無形の叡智」「神」、あるいは「量子場」など、呼び方は、好きなものを選んでまったく問題ありません。(同じものを指していますので)

「引き寄せ」の条件

イメージを投影しさえすれば、欲しいものを「引き寄せられる」?
いえいえ、残念ながら、そんな甘いものではありません。

ワトルズは次の5点を、「引き寄せ」の必須条件として明記しています。

  1. 競争してはいけない
  2. 明確なイメージ
  3. 決意と信念
  4. 感謝
  5. 対価としての行動

そのためには、意識を「競争のレベル」から「創造のレベル」に引き上げること。
そして望むものの明確なイメージを思い描いて、確かな「決意」と揺るぎない「信念」のもとに、そのイメージを維持しなければならない。
そして、深い「感謝」の念を持ち続けること。
望むものが目の前に現れたときに、それを受け取るには、対価として「行動」を起こす必要がある。[改行はサイト管理者]

『確実に金持ちになる「引き寄せの法則」』ウォレス・ワトルズ著 第17の秘密

以下、詳しく見ていきましょう。

競争してはいけない

第1は「競争」の戒めです。

「だだ1つの物質」は尽きることがないので、競争して奪い合う必要はないのです。

〈競争心は捨ててください。あなたは創造者です。すでに創造されたものを競争で奪う必要はありません。奪ったりしなくてもちゃんと手に入ります〉。[第5の秘密]

そして、〈すべての人に、代価以上の実用的価値を与えるように努めなさい〉と助言します。それがほんとうの「創造」ということでしょう。[第6の秘密]

明確なイメージ

第2は「明確なイメージ」です。

〈ほとんどの人は、欲しいものややりたいこと、なりたいものについて、曖昧でぼんやりしたイメージしか持っていません〉。

〈理路整然とした明確なメッセージを伝えなければなりません。いくら望みを送っても、それが漠然としたものだったら、創造のパワーは働かず、金持ちになることもできません。あなたはまず、自分が何を望んでいるのかを知り、はっきり明確にしなければならないのです〉。

〈それから、願いが叶ったときの状態をしっかりイメージしつづけてください〉。 [第8の秘密]

決意と信念

第3は「決意」と「信念」です。

〈明確にイメージしさえすれば、それだけで願望が実現するわけではありません。それではたんに夢想しているにすぎず、願いを叶えるパワーは引きだせないでしょう〉。

〈「イメージを実現する」という、強い決意が必要です。さらにその決意は、すで自分のものであるという揺るぎない「信念」に支えられたものでなければなりません〉。

〈望むものは、もう、すぐそこにあり、あとは手に入れるだけだと確信できなければいけません〉。

たとえば、新しい家を望むのであれば、〈新しい家が実体化するまで、その家に住んでいるところを想像しましょう。イメージの世界で、欲しいものに囲まれている喜びを存分に味わってください〉。

先ほど、明確なイメージが必須だと言いましたが、〈願いが叶うかどうかは、願いを口にだして唱えているときの信念ではなく、イメージを抱いているときの信念で決まります〉。 [第8の秘密]

信念を強く持つには、〈すべての行動、声、表情に、「金持ちになりつつある」「すでに豊かである」という静かな自信をみなぎらせばいい〉といいます。[第14の秘密]

成功する人は自分を信じ、最後には成功を手にすることができると信じています。
ちょっとした挫折や、失敗、つまずき、過ちなどには目もくれず、いつかはゴールにたどり着くと信じて、そこに向かって邁進します。[中略]
「そこにたどり着けますように」と願ってなどはいません。「たどり着ける」と信じているのです。だからこそ、引き寄せの力を最大限に引き出すことができるのです。[改行はサイト管理者]

『確実に金持ちになる「引き寄せの法則」』ウォレス・ワトルズ著 第16の秘密

そしてアトキンスは、「偶然」などというものはない。引き寄せは「法則」なのだ、と強調します。
「法則」なので、正しく使えば、願いは必ず現実化するという「信念」を持ちましょう。

感謝

第4は「感謝」です。

感謝とは、〈「形のない物質」と一体化するプロセス〉そのものです。
感謝こそ、〈望むものを「形のない物質」に伝える具体的な方法〉なのです。[第7の秘密]

具体的には、次の3つのプロセスがあります。

まず、この世にはたった1つの「形のない、思考する物質」があり、すべてがそこから始まったと信じます。
次にその「思考する物質」が、あなたの望むすべてを与えてくれると信じます。
最後に、心から深い感謝の念を抱きます。

『確実に金持ちになる「引き寄せの法則」』ウォレス・ワトルズ著 第7の秘密

また、〈感謝の気持ちを抱くほどに、信念は高まって〉くるため、感謝こそが「引き寄せ」の本質といえるのです。 [第7の秘密]

対価としての行動

第5は「対価としての行動」です。

〈意図的であれ、無意識であれ、強く願ってイメージしつづけているのに、金持ちになれない人が大勢います。それは受け取るための「対価を与えるという行動」を起こしていないからです〉。

「対価」とは、「無形の叡智」に払うもの。
「行動」とは、〈望むものを受け入れる準備〉です。[第11の秘密]

受け入れる準備ができていなければ、引き寄せられたものが自分の近くまで来たとき、それを受け取れずに、流れていってしまうのです。

「受け入れる準備が整っていること」を行動の成果として、「無形の叡智」にしっかりと示し、「準備万端なので、いつでもどうそ!」とアピールすることが必要なのです。

これは、意外とスルーしがちな重要ポイントです。

では、どんな行動を起こせばいいのでしょうか。

ワトルズは、たとえば「新しい仕事」を願うのであれば、今に全力を注ぎ〈今日やるべき仕事を、しっかりやること〉と説いています。
そして、〈現在の仕事を、もっといい仕事に就くためのステップにする〉わけです。[第11の秘密]


これは重要なことなので、私なりに、具体例を考えてみました。
下記の記事をご覧ください。

まとめ

本記事では『引き寄せの法則』原典(その2)を紹介しながら、「引き寄せ」のしくみや概要をお伝えしてきました。

アトキンソン版の4年後、1910年に書かれたワトルズ版は、原理的背景としての「宇宙一元論」がしっかり語られ「哲学色」を帯びる一方、「競争の否定」「感謝」「対価としての行動」などの記述が多く、「ビジネス実践書」としての性格も伺えます。

この本を読み込んで、書かれている内容を実行していけば、皆さんの人生に必ず役に立つと思います。

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